土木・建築分野におけるAI技術と特許5
- 6月15日
- 読了時間: 3分
特許を取得したAI技術の紹介2
~トンネル掘削工事におけるAIを活用した危険箇所予測技術
特許番号:第7798694号
発明の名称:トンネル掘削管理システム
特許権者:株式会社フジタ
土木建築分野では、現場の安全性を高めるために、AI技術を活用した発明が増えています。
その一例として、トンネル掘削工事において、切羽やトンネル側面の状態を解析し、崩落などの危険箇所を予測する「トンネル掘削管理システム」があります。
トンネル掘削工事では、切羽面の変位、肌落ち、湧水、地山の硬さの変化などを早期に把握することが重要です。従来は、これらの危険性を経験豊富な施工者が目視や経験に基づいて判断する場面が多く、判断の精度が施工者の経験に左右されるという課題がありました。
この発明では、トンネル内に設けた複数のセンサからデータを取得します。
具体的には、3Dスキャナにより切羽やトンネル側面の三次元形状データを取得し、サーモグラフィカメラにより切羽の温度分布画像データを取得します。また、騒音計によりトンネル内の音を取得し、湧水量計により湧水量のデータを取得します。
ここで重要なのは、単にセンサでデータを取得するだけではなく、取得した複数種類のデータをAIにより解析する点です。
たとえば、サーモグラフィカメラで得られた温度分布画像から、切羽の硬軟分布や湧水箇所を推定します。また、3Dスキャナで得られた形状データから、切羽形状やトンネル側面形状の変化を検知します。さらに、騒音データを解析し、崩落の前兆となるような音成分が含まれているかを判定します。
そして、これらの情報を機械学習モデルに入力し、湧水箇所や湧水量、トンネルの変状状態、崩落前兆音の有無などを総合的に判断して、変状発生の危険箇所を予測します。予測された危険箇所は、表示部に表示され、危険レベルに応じて警報を発することもできます。
この発明のポイントは、現場で取得される複数のデータを組み合わせ、AIによって危険箇所を予測する点にあります。
つまり、「温度分布画像から湧水箇所を推定する」「形状データから変状を検知する」「騒音データから崩落の前兆を検出する」といった個別の解析結果を、機械学習モデルによって統合し、危険箇所の予測に利用している点が特徴です。
土木建築分野におけるAI関連発明では、単に「AIを使う」と記載するだけではなく、どのような現場データを取得し、そのデータをどのように解析し、どのような判断や予測に結び付けるのかを具体的に記載することが重要です。
このトンネル掘削管理システムは、センサデータとAI解析を組み合わせることで、施工者の経験に依存しにくい危険予測を可能にし、トンネル工事の安全性向上に寄与する技術といえます。



出典:特許公報2023-177122
【土木・建築分野でAI技術を活用した製品・サービスを開発している場合には、単なる業務効率化にとどまらず、特許として保護できる技術的特徴が含まれている可能性があります。】















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