土木・建築分野におけるAI技術と特許6
- 6月14日
- 読了時間: 2分
AI関連発明で特許を取得する際の留意点1
~仮想事例で考える「AIを内蔵した装置の発明」~進歩性の有無
1.はじめに
特許を取得するには、まず発明として成立していなければなりません。その上で新規性、進歩性、記載要件などをクリアする必要があります。このことはAI技術であっても同じです。ただし、AIについては通常の特許要件に加えて特に留意しなければならない事項があります。
今回は、仮想事例に基づいてその留意事項を中心にご説明します。なお、以下では土木・建築分野のAIに関する留意事項について記載していますが、ここに記載した事項は他の分野においても共通するため、他分野の方にも参考になるものと考えています。
2.仮想事例
発明の名称「構造物の画像からひび割れの状況を自動判定する装置」
例えば、点検員が撮影した構造物の画像からひび割れの有無や程度を判定させる装置について考えます。
単に、点検員が撮影画像を見てひび割れを判断していた作業を、AIに画像を入力してひび割れの有無を判定させるというだけでは、進歩性が弱い可能性があります。
なぜなら、人間の目視点検をAIで自動化するという発想自体は、比較的容易に想到できると判断される可能性があるからです。
一方で、たとえば、
●雨染みや汚れをひび割れと誤判定しないための画像処理
●影や反射で見えにくいひび割れを検出するための学習方法
●コンクリート表面の劣化状態に応じて判定基準を変える仕組み
●ドローンの撮影角度や距離に応じて画像を補正する仕組み
●ひび割れ幅や進行方向を時系列で比較して危険度を判定する仕組み
など、土木・建築の現場特有の問題を解決する具体的な工夫があれば、特許として検討できる可能性が高まります。
この事例から学べるポイントは、次のとおりです。
AIを使っただけでは足りません。
特許で重要なのは、AIを使って、どのような具体的な問題を、どのような工夫で解決しているかです。
したがって、AI関連発明を検討する場合には、単に、「この業務をAIで自動化します」ではなく、「AIで自動化する際に発生する具体的な問題を、このような技術的工夫で解決します」という形に整理することが重要です。
















コメント