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土木・建築分野におけるAI技術と特許5
特許を取得したAI技術の紹介2 ~トンネル掘削工事におけるAIを活用した危険箇所予測技術 特許番号:第7798694号 発明の名称:トンネル掘削管理システム 特許権者:株式会社フジタ 土木建築分野では、現場の安全性を高めるために、AI技術を活用した発明が増えています。 その一例として、トンネル掘削工事において、切羽やトンネル側面の状態を解析し、崩落などの危険箇所を予測する「トンネル掘削管理システム」があります。 トンネル掘削工事では、切羽面の変位、肌落ち、湧水、地山の硬さの変化などを早期に把握することが重要です。従来は、これらの危険性を経験豊富な施工者が目視や経験に基づいて判断する場面が多く、判断の精度が施工者の経験に左右されるという課題がありました。 この発明では、トンネル内に設けた複数のセンサからデータを取得します。 具体的には、3Dスキャナにより切羽やトンネル側面の三次元形状データを取得し、サーモグラフィカメラにより切羽の温度分布画像データを取得します。また、騒音計によりトンネル内の音を取得し、湧水量計により湧水量のデータ


土木・建築分野におけるAI技術と特許6
AI関連発明で特許を取得する際の留意点1 ~仮想事例で考える「AIを内蔵した装置の発明」~進歩性の有無 1.はじめに 特許を取得するには、まず発明として成立していなければなりません。その上で新規性、進歩性、記載要件などをクリアする必要があります。このことはAI技術であっても同じです。ただし、AIについては通常の特許要件に加えて特に留意しなければならない事項があります。 今回は、仮想事例に基づいてその留意事項を中心にご説明します。なお、以下では土木・建築分野のAIに関する留意事項について記載していますが、ここに記載した事項は他の分野においても共通するため、他分野の方にも参考になるものと考えています。 2.仮想事例 発明の名称「構造物の画像からひび割れの状況を自動判定する装置」 例えば、点検員が撮影した構造物の画像からひび割れの有無や程度を判定させる装置について考えます。 単に、点検員が撮影画像を見てひび割れを判断していた作業を、AIに画像を入力してひび割れの有無を判定させるというだけでは、進歩性が弱い可能性があります。...


土木・建築分野におけるAI技術と特許7
AI関連発明で特許を取得する際の留意点2 ~仮想事例で考える「構造物の劣化診断画像の輝度調節に用いられる学習済みモデルの学習方法」 発明の名称「構造物の劣化診断画像の輝度調節に用いられる学習済みモデルの学習方法」 たとえば、橋梁、トンネル、道路、建物の外壁などをカメラやドローンで撮影し、その画像からコンクリートのひび割れや劣化箇所を診断する場合を考えます。 撮影画像は、日差し、影、照明、撮影角度などの影響により、明るすぎたり暗すぎたりすることがあります。その結果、ひび割れや劣化箇所が見えにくくなることがあります。 そこで、AIを用いて、撮影画像を診断しやすい明るさに自動調整することが考えられます。 このとき、単にAIで画像を明るくするだけでなく、ひび割れ部分が白飛びや黒つぶれによって見えにくくならないように、AIの学習方法に工夫を加えることがポイントです。 たとえば、ひび割れや劣化箇所が見えにくくなるような画像調整を、AIの学習上「大きな失敗」として重く評価するようにすれば、AIはそのような調整を避ける方向に学習し


建設・建築現場でのちょっとした道具の工夫でも特許を取れる1
1.「現場の工夫」は特許と無関係ではない 特許というと、大企業や研究機関が開発する高度な技術を保護するもの、というイメージを持たれる方も多いと思います。 しかし、建設・建築分野では、現場で使う道具、治具、金物、仮設部材、施工方法などに関する工夫も、特許の対象となる場合があります。 例えば、次のような工夫です。 (1)作業を容易にするために、道具の形を少し変えた。 (2)部材を固定しやすくするために、金物の構造を工夫した。 (3)位置合わせを簡単にするために、専用の治具を考えた。 (4)一人でも安全に作業できるように、施工手順や器具を改良した。 これらは一見すると、「現場のちょっとした改善」に見えるかもしれません。 しかし、その改善によって、①作業時間の短縮、②安全性の向上、③施工精度の向上、④コスト削減、⑤品質の安定といった効果が得られる場合には、発明として評価される可能性があります。 つまり、特許は、必ずしも特別な研究施設から生まれるものではありません。むしろ建設・建築分野では、日々の現場で感じる不便、不満、失敗、改善の積み重ねの中














